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2011年5月23日 (月)

カエル君

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一週間ほど前、雨水をためているポリ容器の取っ手にカエルがいた。水を汲もうとして気がついた。その数日前にも別の容器の内側にはりついていたカエルだと思われる。すっぽりとはまり込んで横になって寝ていたようだが、うるさいほどのカメラのシャッター音に体を起こした。たいていのカエルは早々に逃げだすのだが、このカエルは逃げない。やはり数日前のあいつに違いない。あのときもカメラから逃げなかった。

昨夜、風呂場の電気をつけた。洗面所のスイッチと間違ったのだ。電気がつくと同時に「ギャッ、ギャッ」と二度ばかり何かの鳴き声がした。コオロギや鈴虫の鳴き声はすることがあるが、このような大きな声で鳴く生き物は風呂場にいたことはない。何だろう。どんな生き物がいるのか探してみると、浴槽の淵に小さなカエルがいた。浴室の小窓から入ったのだろうか。

また、こいつか。おいおい君、もしも風呂を焚いている日なら危ないところだったぞ。私が風邪をひいているときでよかったよかった。湯の中にハマったらどうするつもりだい? 私はポリ袋を取りに台所へ行き、戻ってくると彼(だか彼女だか)が入りやすいように袋の口を広げた。警戒もせず、すんなりと中に入ったカエルをいつものポリ容器に向けて放してやった。ピョンと淵にとび移り、キョトンとした顔でこちらを見ていた。

何匹かのカエルはこの季節から初冬まで庭で見かける。庭のどこかで冬眠もするようだ。防犯のために裏庭に3メートルほどの塀を建ててからカエルの数は減ってしまった。いくらカエルでも、その高さは跳べないだろう。今この庭にいるカエルのルーツも裏の棚田や池だ。おそらくかれらの祖父母か曾祖父母が塀のなかった頃にやってきて、子孫はしきたりどおりに来てみたのはいいけれど、田んぼに戻るに戻れずに、やむなく右近庵に棲みつくことになったのだろう。

しかしこのカエルを見ているかぎり、ここが気に入っているように見える。けれど棲家としてひとつだかふさわしくないのは庭猫たちの存在だ。空腹でもないのに猫たちは君たちを見つけると跳びかかる。だから猫がいる時はそんなふうにどこかでじっとしているのが得策だ。それから今はカラスも木の上で子育て中で気が立っている。かれらは雑食で猫の残飯をずいぶん食べているが、いつだって腹ペコだ。カラス夫婦にも気をつけて。

今夜も田んぼではカエルたちの大合唱。それを聴いている君に里心は起きていないだろうか。仲間たちと一緒に唄いたくはないだろうか。それだけが気にかかる。

被災地にこのブログを見てくださる人がいる。ここがひとときの心が休まる場になっているとすれば私はうれしい。被災地を応援している人びとも、共に心を休めていただければ私はうれしい。弱っても、私にはまだ言葉がある。

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