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2017年1月21日 (土)

「だっこ」の命日

今日は24歳で逝った‘だっこ様’の命日です。彼女が逝って5年になりました。
彼女を拾ったのは、当時住んでいたマンションの隣にあった竹林に置かれた灯油の一斗缶。その中に小さな小さな彼女はひとり居ました。マンションと竹林の前に中学校があり、仔猫の彼女は女子中学生たちによって、安全な場所に置かれ、ミルクなど貰っていたようです。それを見つけたマンションの管理人さんが、子どもを連れて帰宅した私に話しかけました。
「こんなん居りますねん」
首根っこをつままれた彼女はみるからに貧相でした。あまりに小さく、栄養失調のためか毛はあちこち禿げていました。見えているのかいないのか、くりくりとした濃いグレーの目をした仔猫は私の掌に乗るほどの小ささでした。
「連れて帰ります」
私は管理人さんにそう言いました。彼は私がたびたび迷い犬や捨て猫たちを見つけてはそっと連れ帰っていたのを彼は知っていたのです。マンションではペット禁止が規則でした。心優しい管理人さんは、そっとおしえてくれたのです。

連れ帰った仔猫はマンションのLDKに少し驚きました。ここは何処だろうと不安になったのか、早くも私を頼りました。仔猫用の食べものを与え、ミルクを飲ませると、スリッパの中に入って眠ってしまいました。それからしばらくはスリッパが彼女の寝どこになりました。1988年9月のことでした。中学校では2学期が始まったばかりでした。女子中学生たちが石油の空き缶に隠さなかったら、野良犬の餌食か車に轢かれていたかのしれません。様子を見に来た中学生に無事だからと伝え、世話をして飼い主を見つけるからと伝えると、安心したように戻って行きました。それが24年5ヶ月もの年月を、手を焼きながら共に過ごすことになるとは思いもよりませんでした。もちろんこの貧相な可愛い仔猫が、希有の凶暴さを持った生きものであるということも全く気付きもせずに。

今日は当時の携帯で撮ったなつかしい画像をご紹介します。後方にあるのはお気に入りのハウス。段ボール箱に敷き物を入れ、上から膝掛けですっぽり覆ってやると大そう気に入っていた。猫は隠れた所から様子を窺がうのが大好き。意外にもリボンや首輪が好きでした。可愛いと人間に言われるのが好きだったようです。手前の敷きパッドは、当時、布団を敷いて寝ていた病弱系飼い主の寝床です。

晩年は老いとの壮絶な闘いでした。やせ細ってなお食べようとしました。亡くなる2日前まで旺盛にフードを舐めました。もっともっと尽くせばよかったと今でも悔やんでいます。寝たきりになっても噛みついて、世話をする私を困らせたけれど、もっともっと抱いていてあげればよかった。人間を含めても、彼女が私を一番愛した生きものだったと分かっていたのに…。

今日は相撲を観ながらずっと骨箱を抱いていました。語りかけながら。
猫通も唸ったあなたの筋金入りの気性の激しさは、私の猫生活で唯一無二の存在です。カミソリだっこ。家族でそう呼んでいたあなたの付けた腕の傷を今でも時々眺めてはあなたを懐かしんでいます。ありがとう、だっちゃん。あなたに頑張ること、生きる執念を教えてもらいました。ずっと一緒に居るからね。時々床で音を出しているよね。そばで遊んで居るよね。

2008年9月に撮影。ダッコ様、超絶ノラの女王様、20歳の時の美貌です。スキのない、不遜な眼差しを見てやってください。なぜ彼女が女王様なのかは、いずれまた。
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