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2004年12月 6日 (月)

おしゃべりエコーとナルキッソス

エコーはいつも仲間たちと森で遊ぶかわいいニンフ(妖精)だった。月の女神ヘラに気に入られ、ときどき狩についていったが、お喋りなのが欠点だった。

ゼウスは次々と恋人をつくっては戯れていたが嫉妬深いヘラが怒らないようにエコーがヘラと喋ってゼウスのことを気づかせないようにしていた。それを見破りヘラはエコーを自分からは言葉が発せられなくさせ、ほかの人が喋る言葉の終わりを繰り返すだけにさせてしまった。

エコーはそれから森へ引き込み、ふさぎこんだ。歌を歌って気をまぎらせようとしてもできなかった。森には狩をしに来る金髪の美しい青年ナルキッソスがいて、恋心をもったが話しかけることもできなかった。

ある日ナルキッソスは狩をしていて友人とはぐれる。心細くなって歩いていると、茂みで音がする。「誰だ」と言うと「誰だ」という。「どこだ」と言うと「どこだ」と言う。誰かにからかわれているかと思うと木蔭からニンフが出てきた。ナルキッソスは逃げ出した。

出て行けば逃げられると思うと生きている甲斐がなく、山のかなたに姿を隠し、嘆きのあまりやせ細り、体はなくなり、人の言うことを繰り返す声だけが残った。(これがecho“こだま”です)エコーだけでなく誰も相手にしなかったナルキッソスを憎み、ニンフたちは復讐の女神に懲らしめるよう頼んだ。

ある日、ナルキッソスは池の水を飲もうとしたら、池の中に美しい顔が見えた。名前を尋ねたが返事をしない。つかまえようとすると、波が美しい顔を消してしまう。それからナルキッソスはときどきこの池に行っては顔を眺めた。その顔が自分であると知らずに何とか返事をさせようとした。水の中の顔に実らない恋をして、日増しに顔が蒼ざめてきた。ニンフたちもあまりに可哀相に思い、もう懲らしめなくていいと願った。

ナルキッソスのやつれた姿は見えなくなり、池のほとりには水仙の花が咲いた。ナルキッソスはこの花に変えられたのだった。水仙の花は首をかがめて池の中をのぞき込み、自分の姿をほれぼれと眺めていた。


きのうと同じ本からの要約です。これは有名な話ですね。センセイ時代には英語の教科書にも出てきましたよ。
では、皆さんこの辺で。一週間がんばってください。  おやすみなさい。



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